アルツハイマー型認知症について

アルツハイマー病（AD）とは、不可逆的な進行性の脳疾患で、記憶や思考能力がゆっくりと障害され、最終的には日常生活の単純な作業を行うことも難しくなります。最も一般的な認知症の型で、認知症の方の60～65％が罹患しています。  ADは記憶と認知機能に影響を与え、混乱、情緒の変化、時間や空間の感覚の喪失を引き起こします。感染症ではなく、伝染することもありません。

ADは65歳以上の人が診断を受けることが多いのですが、若い人でもまれに若年性アルツハイマー症を発症することがあります。

 

記憶の問題や認知能力の部分的喪失などの初期の症状は、最初は周囲の人や家族にも気付かれないことがあります。進行するにつれ症状が顕著になり、日常生活に支障をきたすようになります。服を着ることや身体を洗うこと、そしてトイレに行くことなどの日常動作は徐々に困難になり、生活上の問題が深刻になってきます。そうして、ADを発症した方は、そのような日常動作において他者のサポートを必要とするようになります。

ADはまた、全般的な健康にも影響を及ぼし、生命にかかわる場合もあります。最も一般的な死因は肺炎です。病気が進行するにつれ免疫機能が低下して、体重の減少を引き起こし、喉や肺の感染リスクが高くなります。

 

今のところ病気そのものを治療する薬はありませんが、治療法の開発に向けて世界中で膨大な数の研究が行われています。

記憶障害、失行−失語−失認、意思疎通、性格の変化、行動および身体における変化などはすべて、アルツハイマー病の特徴です。