違いをもたらすための原動力

EssityとNHSは、利用者中心のケアの利点を実証するために連携しています
介護士が入居者のシャツのボタン留めを手伝っている 介護士が入居者のシャツのボタン留めを手伝っている

私たちは皆、唯一無二の存在です。それぞれに望みやニーズがあります。体型や体格も異なります。排泄ケアに関しては、なぜ一人ひとりが個人として見られ、扱われることがこれほど難しいのでしょうか?

変化は一朝一夕には起こらない

TENAは長年にわたり、コンチネンスケアに対する利用者中心のケアの利点を提唱し、その効果を実証してきました。その理由はシンプルで、利用者中心のケアは誰にとってもメリットがあるからです。しかし、もしその利点がこれほど明確であるならば、なぜすべての介護施設がこの方法を採用しないのでしょうか?

しかし、真の変化は一朝一夕に起こるものではありません。人々はエビデンスを確認し、行動を起こす準備をしなければなりません。今では、EssityがNHSと共同で実施した最新の研究のおかげで、これまで以上に多くの人々がそのエビデンスを目にするようになりました。この研究で示されたエビデンスは圧倒的で、より良いケア、業務負担の軽減、そして約5億ポンドもの驚くべきコスト削減効果がありました。8週間にわたるこの研究は英国のNHSで実施されました。この研究では、パッド製品を選ぶ際に、製品単価ではなく個々のニーズに基づいて製品を選択した場合の、排泄ケアへの影響に焦点を当てました。

ケアの質向上、業務負担の軽減、そして年間約5億ポンド(約960億円)のコスト削減。

この研究を推進させる原動力の一つは、Essityの広報・マーケットアクセス・ストラテジック・ヘルス・マネージャーであるRichard Maddisonでした。Richardの主な役割は、意思決定者に影響を与え、長期的な価値とシステム全体のコスト削減という観点から調達を検討するよう働きかけることです。

今後の課題の理解

Essityに入社する前、RichardはNHSに勤めており、購買が担当業務の一つでした。Essityに転職後、コンチネンスケアに携わるようになったため、意思決定者と介護者の双方が直面する課題を深く理解しています。また、仕事と私生活が重なり合い始めたとき、失禁がもたらす日々の課題についても、さらに深く理解するようになりました。 

「私は祖父母の身の回りの世話をしており、週に3回ほど様子を見に行っていました。その頃、最初のロックダウンが起こり、祖母に呼ばれて排泄ケア用パッドを買ってほしいと頼まれたのです。そのとき初めて、祖母が排泄に問題を抱えていると知りました。それ以来、私は祖母の介護者になったのです。」 

祖母の介護を行うことで、Richardは失禁を抱えながら生活する日々の課題を実感しただけでなく、変化をもたらしたいという強い思いも抱くようになりました。

「調査開始時、ケアプランに「自立排泄」が含まれていたのはわずか2%でしたが、調査終了時には20%に増加しました。」

Richard Maddison、Essity UK

Essityの広報・マーケットアクセス&ストラテジック・ヘルス・マネージャー、Richard Maddison
. Essityの広報・マーケットアクセス&ストラテジック・ヘルス・マネージャー、Richard Maddison

「調査開始時、ケアプランに「自立排泄」が含まれていたのはわずか2%でしたが、調査終了時には20%に増加しました。」

Richard Maddison、Essity UK

適切な情報を適切な方法で活用する

この研究に関して、NHSのトラストマネージャーたちは、入居者のために何か貢献したいという強い意欲を持っていました。そして、その鍵となったのは、適切な情報を収集し、それを適切な方法で活用することでした。Richardと彼のチームは、まずケアニーズプロファイルの作成から始め、個別のニーズに基づいて各入居者のプロファイルを作成し、自立して移動可能な人から全面的な介助が必要な人まで、カテゴリーに分類しました。また、トラストの介護者には、モレの回数や製品交換回数、製品タイプ、吸収力など、各入居者に関する適切な情報の収集についてのトレーニングも行いました。

1週間後、NHSの排泄ケア専門家の一人とともにデータを検討しました。次に、Essityのサポートのもと、排泄ケア専門家が入居者それぞれに最も適した製品タイプや吸収力を決定しました。必要な変更が行われた後、情報を再度収集して前回のデータと比較しました。改善効果はすぐに表れ、誰の目にも明らかでした。

「施設では長年、パッドとアウターを併用しており、調査当初は入居者の86%がツーピース製品を使用していました。ほかの選択肢も加えて見直しを行った結果、この割合は18%に減り、パンツ型やベルト付き製品を使用する方が増えました」とRichardは説明しています。「これは、パッドとアウターの併用がすべての人に適しているわけではないことを示しています。」そして、変わったのは製品の種類だけではありません。使用する製品の数も、得られる効果も変化しました。

安心、快適、そして不安の軽減

この研究は大成功を収め、その結果は何百もの媒体で取り上げられました。しかし、Richardにとって最もやりがいを感じた瞬間は、入居者の一人からの言葉でした。

「研究の後、ある入居者の方が「以前よりずっと安心できるようになりました。幸福感が増して、モレの心配をしなくてもすみます」とおっしゃってくれました。年を取ったら、何も心配せずに過ごせるべきです。ですから、この方が幸せで心配しなくて済むと言ってくださったことが、私には何よりも嬉しかったのです。」

排泄ケアをコストではなく、利用者中心のケアとして捉えることについて人々の理解を得るには、まだ長い道のりがあります。しかし、さらなる研究を行い、データを収集して比較し、RichardやEssityの同僚たちのような人々の献身と意欲が合わされば、真の変化を起こすことができるはずです。

参考文献:

  1. NHS提供

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