便失禁を管理／予防するための重要なポイント

便失禁 とは、便および／またはガスが意図せず漏出することを指します。発生要因はさまざまで、評価を行うことで原因を絞り込み、予防と管理のための効果的な計画を立案できます。

便失禁の原因

便失禁は様々な要因で引き起こされる可能性があります。肛門括約筋が弱くなったり損傷したりすると、便失禁のリスクが高まります。長期にわたる下痢、便秘、神経障害などもリスクを高めることがあります。便失禁は、糖尿病、多発性硬化症、痔、認知症などの疾患と関連があることが知られています 

認知機能の低下もリスク要因となることがあります。トイレへの行き方を思い出せなかったり、排泄の必要性に気づくことが難しくなったりする場合があるためです。

日中の水分摂取が不十分であることも、便秘や膀胱刺激を招き、切迫感や便漏れ（便失禁）につながる要因になり得ます。十分に水分が行き渡っている場合、尿の色は淡黄色です。色が濃い、あるいは尿量が少ないといった状態は、さらなる水分補給の必要性を示している可能性があります。

便秘を下剤で治療する必要がある場合は、必ず最も穏やかな方法から始めてください。下剤は個々の状態に合わせて調整し、下痢などの副作用がないか注意深く観察することが重要です。

排便管理計画とは、排便に関する問題を管理・治療・予防するための、利用者中心のケアプランです。入居者の便失禁に対する適切な治療は、その基礎原因に依存するため、良好な計画を立てるには情報収集を行い、リスクを把握するための評価を実施する必要があります。以下は、失禁評価を行う際に考慮すべき要因です。

• トイレを使用する能力、認知能力、移動能力（適切なタイミングで適切な支援を提供するため）
• 排便パターンと便の硬さ（規則的な排便と正常な便の硬さを確認するため）
• 食事の習慣と水分摂取量（脱水や便秘・下痢のリスクを特定するため）
• 皮膚の状態（皮膚の弱さやスキントラブルのリスクを特定するため）
• 排便に副作用を及ぼす可能性がある薬剤
• 排便習慣に影響を与える可能性のあるその他の要因（入居者が正常と考える排便習慣を把握することが重要）

便失禁とスキンヘルス

便失禁が問題となっている場合、失禁関連皮膚炎（IAD）を予防するために適切なスキンケアが不可欠です。IADは、尿や便に肌が長時間さらされることによって引き起こされる皮膚の炎症の一種です。便には強い酵素や腐食性の化合物が含まれており、皮膚を急速に劣化させて、赤み、乾燥、かゆみ、腫れ、水ぶくれ、痛みなどを引き起こす可能性があります。この損傷により、皮膚は感染症にかかりやすくなります。

高齢者のデリケートな肌に配慮した適切な衛生習慣は、皮膚の炎症や感染を予防するのに役立ちます。皮膚が必要以上に長く便にさらされないようにしてください。便が付着してしまった場合は、速やかに取り除くことが重要です。便失禁があった後は毎回、TENA ProSkin 3ステップ スキン・ソリューションを使用し、スキンヘルスを促進してIADを予防しましょう。

実践的なアドバイス

• 便秘や便失禁を防ぐため、必要に応じてトイレ誘導をしましょう。
• トイレの環境整備は、快適な排便習慣において大切です。
• 皮膚のふやけに注意し、清潔に保つようにしてください。使用済みのパッドを交換する際には、必ず臀部と股間を清潔にし、完全に乾かしてください。
• 洗い流し不要の製品（TENAウォッシュクリームなど）を使用して、性器や会陰部のデリケートな肌を保清、保湿、保護しましょう。
• 優しく押し拭きして乾かしてください。こすらないようにしましょう。
• TENAのパッド製品は、表面がやわらかく、通気性の高い素材で作られています。
• 尿、便、汗などの刺激物から皮膚を保護するため、「リスクの高い」皮膚にはバリアクリームを薄く塗ってください。お腹周りの皮膚も忘れずに塗りましょう。

便失禁が起こった場合、便は必然的に皮膚に触れます。便には皮膚を分解する酵素が含まれているため、速やかに取り除き、皮膚を清潔にする必要があります。便失禁のケア製品を選ぶ際には、個々の状態に合ったものを選ぶようにしましょう。TENAは、その人のニーズに合わせて調整できる、様々な種類やサイズの製品を提供しているため、安全で安心感が得られます。

TENAフレックスは、便失禁、特に下痢の場合に最適です。ぴったりとフィットして快適で、横漏れをしっかり防ぎます。また、装着が簡単で、前から後ろへ取り外すため、便中の細菌が尿道に広がるのを防ぐことができます。一般的に、必要以上に皮膚が便に長時間さらされないよう、便失禁が起こったら製品をすぐに交換することが重要です。 

監修：Josefine Grandin（地区看護師、ウロセラピスト）、2022年8月1日